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源氏物語 とびら

     〜 いずれの御時にか女御更衣あまたさぶろひたまひけるなかに 〜
源文は実に難解でお手上げでした。瀬戸内寂聴さんの現代語版に出会えた事を大変嬉しく思います。
読み流すには勿体なく、覚え書きとして記録するものです。

源氏物語とは  通説では三分に分けられている  瀬戸内源氏のあらまし  源氏に愛された女たち

源氏の扉 系図 巻1 巻2 巻3 巻4 巻5 巻6 巻7 巻8 巻9 巻10


源氏物語とは

「源氏物語」は、日本が世界に誇る文化遺産として、筆頭に挙げてもいい傑作長編の大恋愛小説である。今から千年も昔、わが国の王朝華やかなりし平安時代に、紫式部という子持ちの一寡婦の手によって、その偉業が果たされていた。小説が傑作とされる条件とは、内容の面白さ、文章のよさ、登場人物の魅力、読後に余韻を引く感銘度などなどであろう。「源氏物語」は それ等の条件を全て具えていた。

光源氏と呼ばれる希有な美貌の持ち主で、文武両道のあらゆる才能に恵まれ、妖しいほど魅力的な上、人並み以上に多感好色な一人の皇子を主人公としている。光源氏の誕生前の父帝と生母の恋から源氏の死後は、その孫の世代の恋愛事件にまで及ぶ、源氏を中心に四代にわたる恋愛小説ということになる。

作者複数説もあるが、根拠はなく、式部自作の家集「紫式部集」と、「紫式部日記」には、「源氏物語」の名も度々現れており、今では、式部一人の作という説で落ち着いている。

式部は、生年月日も、官名も定かではない。当時の女は皇后、皇女、最高級貴族の娘でもないかぎり、名前は残されていない。宮仕えすれば、父や夫や兄の官名につなんで呼ばれた。清少納言や和泉式部もその例である。

紫式部がなぜこんな大作を書き残すことが出来たのか、父、母の家系ととも、摂政大政大臣藤原良房の兄弟を先祖にしている名門ではあるが、父母の代では、受領階級で、一流の貴族階級からは落ちている。ただし、両家系とも代々歌人として認められ、文系の才能が伝わっていた。
おびただしい蔵書のある生家で、十余歳の頃には、いっぱしの文学少女になり、小生意気だったようである。

物語は一帖ごとに帖名を立てた全五十四帖で、「桐壺」の帖から「夢浮橋」まで現代の四百字詰原稿用紙では、大方四千枚、登場人物も四百三十人にも及ぶ。


通説では三部に分けられている

第一部

「桐壺」から「藤裏葉」までの三十三帖
主人公光源氏の両親の恋に始まり、光源氏の誕生から、青春の恋の様々と、恋ゆえに起った運命の蹉跌と、その試練を超えての、栄華の絶頂期までをかいている。源氏誕生前から三十九歳までの物語である。

「玉鬘」から「真木柱」の十帖は玉鬘の身辺が多く語られているために
玉鬘十帖」と呼ばれている。

第二部

「若菜上」から「雲隠」までの八帖
栄華を誇っていた源氏も、三十九歳の中年。異母兄「朱雀院」が病になり、その朱雀帝の娘「女三の宮」と結婚したことが、墓穴を掘ることになる。
栄華は過去へと去って行き、「紫の上」の死で、源氏、人生の終焉を迎える。
第三部 「雲隠」の巻きは、タイトルのみで本文がなく、「匂兵部卿」の冒頭では、いつの間にか源氏が亡くなっている。
「匂兵部」「紅梅」「竹河」では、源氏亡き後の主人公達、不義の子「薫」や「匂宮」が登場し、「橋姫」から始まる「宇治十帖」での恋愛物語を展開する。


「瀬戸内源氏」のあらまし


巻一 ・・・ 桐壺  帚木  空蝉   夕顔   若紫
巻二 ・・・ 末摘花   紅葉賀   花宴     賢木   花散里
巻三 ・・・ 須磨   明石  澪標  蓬生   関屋   絵合  松風
巻四 ・・・ 薄雲  朝顔  乙女  玉鬘  初音  胡蝶
巻五 ・・・ 蛍  常夏  篝火  野分  行幸 藤袴  真木柱  梅枝 藤裏葉
巻六 ・・・ 若菜上  若菜下
巻七 ・・・ 柏木  横笛  鈴虫  夕霧  御法  雲隠  匂宮  紅梅
巻八 ・・・ 竹河  橋姫  椎本  総角
巻九 ・・・ 早蕨  宿木  東屋
巻十 ・・・ 浮舟  蜻蛉  手習  夢浮橋


巻一 源氏の誕生から、夕顔とのはかない恋、若紫との出会いまでの物語。
巻二 最愛の女・藤壷の宮への許されぬ恋と、不義の皇子の誕生、年上の愛人・六条の御息所の生霊による正妻・葵の上の死、朧月夜との危険な情事…。
語り継がれる場面とドラマが次々と展開。
巻三 帝の寵姫・朧月夜の君との逢瀬がもとで謀反の咎めを受け、須磨へと都落ちする光源氏。
わびしい流謫の地で生まれて初めて挫折を味わうが、やがて明石の君と出会い…。
帰郷後は、藤壷の中宮との不義の子・冷泉帝が即位。
巻四 最後の女性・藤壷の尼宮が崩御。
冷泉帝もついにその出生の秘密を知ってしまう。
正室にと噂された朝顔の君には拒まれ、夕顔の忘れ形見・玉鬘を発見するが…。
広大な六条の院に愛する女君たちを住まわせ、太政大臣となった源氏は栄耀栄華の限りを尽くす。
巻五 源氏の道ならぬ恋慕に悩んでいた玉鬘は、意想外の求婚者・鬚黒の大将の手に落ちる。
長男・夕霧は長い試練の果てに雲居の雁と結ばれ、娘の明石の姫君は東宮に入内し、生母と再会。
四十の賀を控え、准太上天皇に上った源氏の半生はひときわ輝きを増す。
巻六 四十の賀を盛大に祝った源氏に兄である朱雀院の愛娘・女三の宮が降嫁し、絢爛を誇った六条の院に思わぬ波乱が生じはじめる。
愛情の揺らぎを感じた紫の上は苦悩の末に倒れ、柏木は垣間見た女三の宮に恋慕を募らせるがその密通は源氏の知るところとなり…。
巻七 不義の子を産んだ女三の宮は出家し、柏木は病死。
夕霧は柏木の未亡人・女二の宮への恋慕を募らせる。
そんな中、ついに最愛の女性・紫の上が死を迎え、悲嘆に暮れる源氏は、かねて念願の出家をはたす。
「匂宮」の帖以降は、女三の尼宮の子・薫と明石の中宮の子・匂宮をめぐる新しい物語が始まる。
巻八 成長した薫の君は、宇治に隠棲した源氏の異母弟・八の宮の美しい姫宮二人を垣間見た。
姉の大君に求愛するがどこまでも拒まれる一方で老女・弁の君から自らの出生の秘密を明かされる。
匂宮と妹宮・中の君との愛の行方は…。
傑作「宇治十帖」の物語が華麗にその幕を開ける。
巻九

亡くなった大君のことを思い切れないまま、薫の君は、今上帝の女二の宮と結婚。
中の君は匂宮によって、京・二条の院に迎えられ懐妊するが、姉宮の面影を求める薫の横恋慕に悩み、異母妹・浮舟を大君の身代わりにと勧める。
しかし、可憐な浮舟に匂宮も心惹かれはじめ…。
思うにまかせぬ運命の不思議。
人の心と運命に、男も女も翻弄される。
     

巻十 宇治の山荘を訪れた匂宮は、薫の君を装い浮舟と契ってしまう。
当代一を競う二人の間で身も心も揺れ動く浮舟は、苦悩の果てに死を決意。
入水するが助けられ、受戒、出家してしまう。
消息を知った薫にも、決して会おうとはせず…。
愛の大長編小説「源氏物語」、圧巻の完結篇。


源氏に愛された女たち

桐壺の更衣 更衣とは女御の下の身分で妻妾のこと。愛されながらも、源氏を生むためだけに登場したような悲しい運命の人。
藤壺の宮 桐壺帝の従兄弟で桐壺の更衣とそっくりなことから、桐壺帝の女御となるが、源氏と不倫の末後の「冷泉帝」を生む。我が子を帝にするために出家する。
葵の上 桐壺帝の妹と左大臣の間の姫君で、美人で頭も良く気位が高い。源氏の正妻でありながら、年上であることが劣等感となり、本当の愛を知る事なく不幸な人生。
空蝉 源氏の家来伊予の介助の妻、源氏を振った初めての女だが、心から源氏を愛している。
夕顔 頭の中将の愛人で心優しい女。後の「玉鬘」が生まれるが正妻の脅迫で姿を隠す。源氏と出会って間もなく、物の怪に取りつかれて死んでしまう。
六条の御息女 桐壺帝の弟の后で若くして未亡人になる。源氏の愛人で嫉妬のあまり物の怪となる。
末摘花 故常陸宮の忘れ形見。見るに堪えないほどの醜女で世間知らずの姫。
朧月夜 ライバル右大臣の娘、源氏失脚の原因となる
花散里 亡き桐壷院の女御のひとり。源氏の子供達の義母となり、最後まで源氏の心を癒やす。
紫の上 才長けて見目麗しく情けあり、まさに良妻賢母。実子に恵まれなかった。
女三宮 源氏の正妻、幼さゆえに不義の子を産むことになる。
明石の君 須磨の愛人で、源氏の子を産むが最後まで身分の低さで悩む。


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